活動レポート

第153回起業の鉄則研究会

平成 30年3月10日(土) 14 時から本年度第11回目(通算153回目)の起業の鉄則研究会を神戸市兵庫区の甲南アセット本社で開催しました。大阪ブロックからもご参加いただき、初参加の方々を含めて、20名の方々で活発な意見交換がなされた研究会になりました。

◆第1部:「西陣織カーボン織物による伝統産業の発展と自動車業界を中心とした世界戦略」
講師:有限会社フクオカ機業 代表取締役 福岡裕典 氏、社員 赤松映美 氏
※NBKニュービジネスアワード2017、アントレプレナー部門でグランプリ受賞
明治35年創業で、天皇家豪用達の西陣織の技術がある。今上天皇の即位の礼の際の衣装は当社が担当。京都でも若者の少子化が問題で、技術伝承に危機感を持っている。消費者の手元に届く着物が高額な理由は、流通経路が多く重なっているから。一方、職人の工賃は低い。手取りが少ないから子供を作りたがらない夫婦が多い。手取給与が25万円以上無いと家族を持ち、家を買える暮しにはならない。京都市では西陣活性化プロジェクトを作り、技術伝承と職人が家族を持てる仕組みづくりに試行錯誤している。当社は、第一に人材育成、第2に京都産業の活性化を掲げて取り組んでいる。阪神淡路大震災のビルの柱の修復に炭素繊維が使われているのを知り、ピンと来た。炭素繊維は"すれ"に弱い。試行錯誤の結果、当社は織物にする技術を確立、製品化できた。自動車メーカーや家電メーカーとのご縁が広がり、西陣織の技術は仲間同士よりも他業種の評価が高いことに驚いた。炭素繊維の弱い部分を克服し、新たな機能をつけてと無理難題が立ちふさがる。黒だけではダメで、着物のように彩り鮮やかなものを求められ、課題をコツコツ乗り越えてきた。子供が二人いるが、「お父さんのやり方ではダメだよ。僕がお父さんの後を継いで、もっと会社を大きくするよ」と生意気なことをいっているが、内心では頼もしい。英語を一生懸命勉強してくれている。まだ海外との直接取引が出来ていない。子供たちが課題に挑戦し、乗り越えてほしい。皆様と交流を広げたい。ご講演予定時間の1時間が、2時間になるほど活発な意見交換が行われました。

◆第2部:「『大阪あそ歩』その仕組みと楽しみ方~歩いているだけで楽しいことが~」
講師:一般社団法人大阪あそ歩委員会 理事 井川聡江さま 氏
町歩きは、長崎から始まっている。長崎さるく(長崎弁で、ほっつきあるくという意味)は、全国にこの輪を広げたいと活動。この活動に感動して、茶谷幸治氏がプロデュースして、当委員会を作り、代表理事をしている。2008年に発足したが、当初は大阪市等から補助金をいただけた。その際にホームページ、ユニフォーム、チラシなどを作成。電話応対できる専任職員などを整備できた。補助金は期間3年。多くの事業は補助金が無くなる=事業廃止のパターンが多いが、当委員会は踏ん張った。職員の給与がでないなら電話応対を廃止。問い合わせ応対をホームページに絞り、留守番電話も廃止。チラシも廃止し、経費を限りなくゼロに工夫。現在、大阪を町歩きするコースを150コース用意。参加費は1000円だったが、補助金が無くなってからは1500円に値上げ。うち1000円はガイドの謝金、500円を当事業の運営費に充てている。利用者は年間2000人以上で運営費だけで100万円以上は稼げる事業になっている。NHKの朝ドラは女性が主人公。大阪放送局の制作は人気化しやすく、「あさが来た」の放送時期は広岡浅子氏ゆかりの大同生命などを巡るコースの参加者が増える傾向がある。「今度はここを案内して~」など、ガイドさんごとに固定ファンも増え、リピーターを増やしたい。皆様も「大阪あそ歩」を体験してください。
参加者の皆さんからは、うちの社内研修で話してほしいなど、大阪あそ歩ファンが増えそうです。

今回は、小林宏至塾長はご欠席。懇親会では、西陣織や大阪の町歩きの話題など活発な交流が行われました。次回は、2018年4月14日(土)14時から。甲南アセット本社にて開催予定DSCN0478.JPGDSCN0517.JPG

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