活動レポート

起業の鉄則研究会

 平成 26 年1月 11 日(土) 14 時から甲南アセット大開ビル別館 5 階会議室にて講師ともに 18名が参加し、本年度第10回目(通算106回目)の起業の鉄則研究会が開催された。
 今回は、日本人の暮らしに深く定着してきたペットと人がどのように工夫したらより住みやすくなるのか?課題やペットとともに住みやすい街という神戸の新しい魅力作りに加え、新年にあたり経済問題を踏まえた株式相場の見通しなどを知ることができた講義であった。講義終了後も、獣害対策としてはあっても人と共生するための公的な支援がないこと、社会問題化しつつある独居高齢者とペットとの現状、神戸市内の事業者が協力して新サービスが検討できないかなど、参加者の皆様の活発な議論が行われた研究会となった。

【第1 部】 「ペットミクス-温かな社会に生まれるビジネスチャンス」
 講師: 公益社団法人Knots 理事長 冨永 佳与子 氏
・ハスキー犬を飼い始めたことが、この仕事につく切っ掛けになった。当時は知識がなく、その後生まれた5匹の犬たちをよそに出せない、いろいろな決まりがあることを体験。日本ではペットと共生しにくい社会であることを痛感。難しい問題にぶち当たった。
・犬や猫など人にとって伴侶となる動物は、大昔から人と生きるように仕付けられてきた。人間には住みやすい環境が広がってきた一方、伴侶動物には生きにくい環境になっている。
・人が心地よく生きるために、特に一人暮らしの方にとっては家族である気持ちが強く、そういった方々が生きる支えになるペットの環境も整えてあげたい。
・国際シンポジムを開くなかで、外国の方々からは、歴史的に海外との開国の地である神戸は"神の戸びら(扉)を開く街"と言われる。いつか神戸がペットと暮らしやすい都市という評価がいただけるような街にできたらと夢見ている。神戸経済を支えておられる皆様と協力していきたい。
・残念ながら、今の公的制度には、獣害対策には補助金があるが、ペットと共生するための支援制度がない。
・不動産業者、獣医師、獣医師の教育機関、介護事業者などが連携し、ペットが生まれてから、殺傷処分されるのではなく、寿命で死ぬまでうまく循環しつつ、人がより心地よく生きるための仕組み作りにビジネスチャンスがあると考え、アイデアを温めている。

【第2 部】 「まだまだ上がり続くか新年相場。アベノミクス大解剖」
 講師: 株式会社ヴィーナスアセットコミュニケーションズ 土佐 浩史 氏
・昨年末まではアベノミクス効果で、株式相場が上昇した。今年も円安が進む見通し。自動車産業に恩恵。
・NISA(少額投資非課税制度)が導入されるので、日本の株式市場に良い効果が期待できる。
・日本では、グーグルグラスや、iPadのような製品がどうして作れないのだろう?日本のバブル期と現在とを比べると、電機業界がダメになっている。iPadやスマホの普及により、日本の物流に大きな変化が起きている。近くでしか買えなかったものが、遠くからでも買えるようになっている。
・消費税8%への増税が与える日本の景気への影響は、かなり大きいものになるだろう。
・株式投資において、長期投資は本当に資産を増やす方法なのか、疑わしくなってきている。
・株式投資は無くてもいい資金の範囲で行うように。中途半端な気持ちで長期投資を行うのはリスクが大きい。
・世界に通用するグローバル企業や、価格破壊を起こしている企業は期待が高い。 小林塾長より、価格破壊といわれ、日本から海外へ工場がでていくが、本来、そういった企業のコスト分は、他の日本国内の企業の付加価値になっていたもの。だから、海外にでていっている企業が、日本国内にコストを落とすような産業を育成する仕組みをこれからの日本が作らないといけない。日本国内が空洞化しないか心配している。
 終了後、近くの料理屋「雄司」にて食事会と歓談がもたれた。この懇親会では、経済と株式相場の関係は、思ったようには見通せないという議論や、日本経済の先行き見通し、日本人が海外へ行く場合に安全を図る工夫、今年の起業の鉄則研究会の講師の方々への期待など率直に意見交換。起業家が陥りがちな失敗談など今後の指針のヒントを得ることも多い。
 次回は2月8日(土)に大阪会場にて開催予定。

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