お知らせ
令和8年 年頭所感
令和8年の新春を迎え、謹んで新年の御慶びを申し上げます。
大阪・関西万博を振り返って
昨年2025年、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開催され、国内外から累計2,900万人の方々に御来場いただき大きな成功をおさめることができました。皆様の御協力に感謝申し上げます。ありがとうございました。
万博の成功は、観光・宿泊・交通など地域経済に幅広い波及効果をもたらしただけでなく、関西の中小企業やスタートアップの技術発信、地域産業の魅力発信、そして会場内外で頻繁に繰り広げられた海外とのビジネス交流により、国際的なビジネスネットワークの構築にもつながりました。この成果を一過性のものにせず、地域産業の持続的な成長や国際展開に結び付けることが重要です。
国内経済の現状と経済対策
我が国経済に目を向けると、「デフレ・コストカット型経済」からその先にある新たな「成長型経済」に移行する段階まで来ており、まさに今、再びデフレに後戻りしない「成長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にあります。他方、世界経済の不透明感や物価高の影響により、地方や中小企業において景気回復の実感はまだ十分ではありません。
昨年11月、政府は「「強い経済」を実現する総合経済対策」を定め、大胆かつ戦略的な「危機管理投資」と「成長投資」を進め、「暮らしの安全・安心」を確保するとともに、雇用と所得を増やし、潜在成長率を引上げる方針を示しました。
近畿経済産業局でもこの方針を踏まえ、中小企業の稼ぐ力強化や省力化投資支援、経済安全保障の強化、米国関税措置への対応等、経済対策に盛り込まれた支援策の普及に努め、地域の強みを最大限に活かした施策を推進してまいります。
賃上げ環境の整備
物価高対策としては物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまうのではなく、継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。
本年1月1日に、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」は「中小受託取引適正化法(取適法)」に、「下請中小企業振興法」は「受託中小企業振興法」に改正されて施行されました。これらは、発注者・受注者の対等な関係に基づき、事業者間における価格転嫁及び取引の適正化を図ることを目的とするものです。
中小企業をはじめとする事業者が各々賃上げの原資を確保するためには、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図っていくことが重要です。改正法では、協議に応じない一方的な代金決定の禁止や手形払等の禁止など、価格転嫁を阻害し受注者に負担を押しつける商慣習が規制され、取引の適正化が一層求められます。
近畿経済産業局としても、企業の皆様とともに、価格転嫁の円滑化と賃上げの実現に取り組んでまいります。
成長戦略と関西のポテンシャル
昨年11月に設置された「日本成長戦略本部」では、17の重点分野に官民連携で戦略的投資を集中し、我が国経済の成長を実現する方針が示されました。また、同じく昨年11月に「地域未来戦略本部」が設置され、地域ごとに産業クラスターを形成し、世界をリードする技術・ビジネスを創出することとされています。
関西は、高度な技術を有する企業や大学・研究機関の集積があり、これらを活かした成長のポテンシャルを秘めています。
大阪・関西万博では未来社会を支える数多くの革新的な技術が披露されました。ポスト万博においては、これらの技術やビジネスモデルを関西に実装し、持続的な成長の原動力とすることが重要です。水素エネルギーやバイオものづくり、次世代空モビリティ、デジタル技術等の社会実装や、スタートアップの振興を進めることで、関西経済はさらなる飛躍を遂げることが期待されます。
近畿経済産業局では自治体や経済界とも連携しながら、ポスト万博の取組を推進してまいります。
結びに、あらためまして経済産業行政への御理解と御協力をお願いするとともに、皆様の御多幸と御健勝を祈念いたしまして、新年の御挨拶といたします。

