活動レポート

未来のチカラ育成委員会 出前講義「16歳からの起業塾」

未来のチカラ育成委員会では、「出前講義『16歳からの起業塾』」を12月10日(水)神戸星城高校において実施いたしました。
「人を幸せにしたい」「自分の夢を形にしたい」そのために「起業」を選択する若者は既に世界中にたくさんいます。
この授業は高校生にもわかりやすく、未来の「起業」に必要な考え方や発想方法をゲーム感覚でお伝えするものです。
毎年神戸星城高校では、特進Sコース1年生の生徒に年間6回の授業を通じて"起業家マインド""起業"についてお教えしています。

第6回目となる今回の授業内容は下記のとおり。

◎授業の導入と背景
12月に入り、本授業が残り2回となったことを確認した。
冒頭では地震の話題に触れ、特に東日本大震災当時の体験共有を通じて、当時の社会情勢や企業の対応について言及があった。

◎ソフトバンクの事例紹介
■ 東日本大震災時の対応
孫正義氏が、個人資産から100億円を寄付すると発表
この決断が日本社会に与えた影響や、経営者の覚悟について議論した
■ 企業成長の軌跡
創業当初は3人程度の小規模な会社からスタート
現在は売上約3兆円規模を達成(日本最高水準)
創業者が掲げた「豆腐屋になる」という一見突飛なビジョンが、長期的に具現化された事例として紹介された

◎クラシル(料理アプリ)の事例分析
■ サービス概要
プロの料理人による動画レシピを中心とした料理アプリ
クックパッドとの差別化を明確にした戦略設計
■ 創業者の背景
慶應義塾大学2年生時に東日本大震災を経験
震災を契機に起業家を志す
学生時代に、現在のウーバーイーツに近いビジネスプランを構想(当時は技術的制約により実現困難)

◎企業理念の重要性
■ クラシルの理念
企業理念:「大きな情熱を燃やして、世界に大きなインパクトを与える存在」
ミッション:「毎日3回の幸せを届ける」
単なる利益追求ではなく、社会にどのような価値をもたらすかを重視する姿勢の重要性が強調された。

◎前回授業の復習
さつまいもを題材としたマーケティング戦略の検討
「価値」には以下の2側面があることを再確認
機能的価値
情緒的価値
人によって価値の感じ方が異なる点を理解する重要性

◎アクションアイテム(学生向け)
好きな企業を1社選び、企業理念を調査(最終宿題)
創業時の想いや背景を調べる
成長過程および現在の社会的影響について分析する

◎小規模書店の競争戦略検討
■ 現状認識
3人規模の小さな書店が、Amazonなどの大手企業と競争する必要がある
■ 提案されたアイデア
体験型読書空間(物語の世界観に合わせたブース設計)
福袋形式による「運命的な本との出会い」の演出
スタンプラリー型読書企画
コアな専門読者層への特化
サイン・コメント付き特別版の提供
連載完結まで届ける定期購読サービス

◎実際の成功事例紹介
・蔦屋書店:医学書・建築書など専門分野に特化し、滞在型空間を提供
・スターバックス併設型店舗:読書とカフェ体験の融合
・岩田書店(北海道):1万円で個人の悩みに合わせた選書サービス
・誠品書店(台湾)
店舗限定作品の提供
料理本と食材のセット販売
ガラス工芸などの体験型ワークショップ
毎週末のイベント開催によるエンターテイメント化

◎スポーツ用品店の差別化戦略
■ 課題
同一商品の価格差(例:野球ボール/専門店1,500円・量販店3,000円)
■ 提案された解決策
名前・背番号プリントなどのカスタマイズ
交通不便地域での地域限定販売
購入者向け野球教室の提供
投球フォーム別の色分けボール
地元選手のサイン入りガチャガチャ展開

◎価値創造の基本原則
同一商品でも用途によって価値は変動する
付加価値の具体例
おまけの追加(江崎グリコのキャラメル)
高級パッケージ
サービスとの組み合わせ
贈答用としての再定義

◎企業理念の重要性(追加事例)
江崎グリコ:創業者の子供の病気治療を背景に「美味しさと健康」を理念化
日清食品:戦後復興期に「食を通じて幸せを提供する」という使命感を確立

12. 対応事項(提出課題)
各自が日常的に利用している商品・サービスについて
企業理念を1社調査し、1週間以内に提出
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