活動レポート

起業の鉄則研究会

 平成 26年12月 13日(土) 14 時から大阪駅前第一ビル 11 階神戸大学学友会大阪凌霜クラブにて、本年度第9回目(通算117回目)の起業の鉄則研究会を開催しました。
 講師含む 21名が参加。出版経営者、創業準備中の起業家、不動産経営者、易学者、弁護士、ネット事業者、社会保険労務士、をはじめ様々な業種の方々が参加。
 今回は3000万円を作ると決意し、ユニークなアイデアを駆使して、次々といくつもの壁を駆け抜けてきた起業家の体験談と、アジアとの懸け橋になった先人の日本人たちを、日本人の私たちがよく理解して、歴史認識を高めようと台湾で今なお尊敬されている八田與一氏についての実話についてご講演いただきました。
 常識や商慣習にとらわれるのではなく、今自分ができることを見つめて、仲間と手分けしながら起業する素晴らしさを追体験できた研究会となりました。
 また、台湾や、他のアジア諸国で日本の先人が人生をかけて、架け橋となったエピソードについては、私たちは知らないことが多く、知らないでは済まされない環境になりつつあるなか、映画や本などを通じて触れることの大切さを実感しました。

◆【第1 部】 「夢サイクル」 講師: 株式会社リプロス 代表取締役 羽昊 雄柄 氏
・サラリーマンをしていたが、やりたいことがあったわけではない。自分で事業をしたかった。まず、3000万円作ろうと思った。手っ取り早く儲かるものがないか?梅田をぶらついて探した。すごい行列、それがベルギーワッフルだった。
・おいしいワッフルの焼き方を教えてもらいたい→ベルギー大使館に行き、日本とベルギーの架け橋になりたい。大使に紹介状を書いていただき、パートナーを修行にベルギーに行かせた。1号店は渋谷の駅ナカ。ブームにのれて、東京で8店舗。うまくいきすぎた。九州にも出店したが明太子店から苦情。客単価が違う。初めての挫折。全店舗を手放すことになった。
・やりたいことを仕事にしよう。医療、海外、コンサル分野をやることを決意。1年間無報酬という条件で、老人病院の企画室長として採用。1年以内に改善できることだけに絞り、行動。日用品レンタル事業などで成功。しかし、有頂天になり、私にとっての顧客が誰かを見失った。病院の抜本改革を提案。すると、病院長と対立。結局、身を引くことに...。
・飲食店ビジネスに参入。お客をワクワク、ドキドキさせるためのアイデアを仲間で練った。しかし、人材育成、調理、運営を全て仲間に任せた。立ち上げが大事で、あとは一生懸命にやっていれば大丈夫だと錯覚していた。結局、すべて売却することになった。
・自分で経験し、作った言葉がある。"夢サイクル"「夢のある者には計画がある。計画のある者には行動がある。行動のある者には実績がある。実績のある者には失敗がある.失敗がある者には反省がある。反省があるものには進歩がある。進歩のある者には夢がある」
・やりたいこととうまくやれることは違う。自分が心を決めれば、チャンスや仲間が集まってくる。分からない時は教えを乞えば、協力してくれる。うまくいかない時は、自分の考え方ややり方が間違っている。人の役に立つことが重要。自分にできるのは提案。決めるのはお客さまであることを学ばせていただいている。 ・現在は、不動産業を中心にやっている。やりたいことへのチャレンジは続けたい。

◆【第2部】 「親日と反日の関係:「台湾を愛した男 八田與一物語より」映画KANOの来春全国放映に先駆けて」
 講師: 株式会社システムユニ 代表取締役 岡田 敏明 氏
・オーストラリアから見た世界地図。中国からみる日本海に地図。私たち日本人とはまったく見え方が違う。忠臣蔵の話も、吉良側から語るのか、大石側から語るのかでも結果が違う。
・歴史認識問題が、かつてないほど大きな国際問題になっている。しかし、戦前の日本人の多くは、海外との懸け橋になった素晴らしい人物が多い。台湾での八田與一氏もその一人。八田氏の功績は今なお、台湾人に語り継がれ、銅像もできるほど。しかし、そんな偉大な先人についてさえも、日本人である私たちが知らないことが多い。特にアジアのために人生をかけて貢献した先人たちの偉業を知り、それを外国人の方にも紹介できるように、心がけることから、はじめよう。 ・八田興一氏。日本の水利技術者。台湾では当時で7000億円規模の巨大なダムの設計、作成に尽力した日本人として尊敬されている。古川勝三著書「台湾を愛した日本人-土木技師 八田與一の生涯-」にそのドラマが描かれている。是非、多くの日本人に触れていただきたい。
・2015年春には、日本でも台湾と日本の友情を描いた映画「KANO」が公開される。
・これからの私たちに必要な4つ事柄。自分で見る。自分で考える。自分で決める。自分で行動する。歴史観を育んでいきましょう。

◆小林塾長からの講評
 今回は、羽昊さん、岡田さんの質の高いお話を聞いた。もっと聞いていたい内容。台湾に行った際には、八田與一さんの話を現地の人が熱く語ってくれる。しかし、日本人の多くが知らないのが残念。われわれ日本人は戦国など歴史上の人物はよく知っているが、現代史についてはよく知らない。もっと知るべきである。
 羽昊さんの体験は素晴らしい。私は商売歴40年だが、それに匹敵するほどの体験をわずか10年で体験されている。羽昊さんも組織作りに苦労されているが、私も同じ。良い組織作りをしていきたい。

 終了後、近くのビアホール「キリンケラーヤマト」にて懇親会を実施。この場では、講師を交えて、小林塾長との出会いのエピソード、業種が違っても似ている失敗談、歴史問題をどのように学んでアジア諸国の方々と友好関係を築いていけるかなど、率直に意見交換しました。失敗をどのように活かすのかなど今後の指針のヒントを得ることも多いとの評判です。なお、次回は2015年1月10日、神戸会場にて開催予定です。

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