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近畿経済産業局長 年頭所感

年頭所感【近畿経済産業局 】写真.JPG

近畿経済産業局長 池森 啓雄

 平成29年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年は、英国のEU離脱や保守主義的な動きが懸念される中、世界経済の不透明リスクが高まるなど海外情勢に大きな注目が集まる年となりました。

 国内に目を向けると、関西の景気は一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善しています。この改善の動きを加速させ、地域に広く行き渡らせていくことが極めて重要です。関西には、優れたものづくり企業、大学や研究機関の立地、伝統的工芸品と匠の技などの幅広い分野の集積に加え、新市場開拓に挑戦する産学連携や、海外交流などの活発な取り組みが数多く存在します。この関西の強みを最大限に発揮し、経済の好循環を生み出すことが必要不可欠です。

 近畿経済産業局といたしましては、本年も企業を取り巻く環境や地域が直面する課題に丁寧に目配りをし、きめ細かく対応するとともに、地域経済ひいては日本経済の更なる活性化に向けて以下の4つの重点分野に取り組む所存です。

 まず、第一に、「第4次産業革命」に対応した未来投資を促進します。昨年、官民会議「未来投資会議」が発足し、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等の重点分野に関わる各種支援を行う体制が整えられつつあります。地域経済の発展には、成長分野への投資を促進し、地域経済を牽引する波及効果の高い事業を創出させていくことが重要です。当局でも健康・医療分野、航空機分野、セルロースナノファイバーなどの新素材分野で、現場ニーズと技術シーズのマッチング、地域内の連携強化やサプライチェーン構築の取り組み等により、地域経済牽引事業を支援してまいります。

 第二に、中小企業等による内外需要の開拓促進です。訪日海外客数が2000万人を突破するなど、海外需要が増大を続けています。当局では、この機会を逃さず、インバウンド需要の獲得を目指すとともに、関西の魅力を世界にアピールし、対日投資を促進します。また、各種セミナーやテストマーケティング等の海外販路開拓支援を行うことにより、中小企業による海外需要の開拓を目指します。

 第三に、下請等中小企業の取引条件改善です。経済の好循環を実現するには、中小企業の賃金の上昇等が適正に取引価格に反映されることが必要です。昨年9月に発表した「未来指向型の取引慣行に向けて」(世耕プラン)に基づき、下請中小企業の声にしっかりと耳を傾け、下請取引の適正化に向けて尽力してまいる所存です。

 第四に、エネルギー政策再構築への対応と地球環境への貢献です。昨年の電力小売り自由化に加え、本年4月には、ガスの小売り自由化もスタートします。それらの事業における健全な競争を促すとともに、「関西スマートエネルギーイニシアティブ」活動を通じて、エネルギーミックスの実現に向けて取り組んでまいります。

 関西では、2021年のワールドマスターズゲームズ開催、2025年の国際博覧会誘致など地域活性化に向けた国際事業活動が活発化しています。

 国際博覧会の開催は、その経済効果のみならず、人類社会の課題解決に向け、関西のモデルの提示を通じて、国際貢献する良い機会となります。昨年12月に国の検討会が設置され、フランスが既に立候補している中、国内外の支持を得るため、皆様と一体となって力強く推進してまいります。

 近畿経済産業局といたしましては、これらの取り組みに全力をあげ、関西経済の活性化に努めることで、日本経済をリードする強い関西を目指してまいります。

 本年も経済産業行政への御理解と御協力を御願いするとともに、みなさまの御多幸と御健勝を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

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